先週、ニュージーランド政府より、2022年初めから入国制限を徐々に緩める方針であることが発表されました。嬉しいニュースですが、さまざまな条件付きで、入国制限の全解除までの道のりは長そうです。
まず、入国制限の緩和を始める条件として、ニュージーランド国民のワクチン接種率を十分確保することが求められます。
現在、ニュージーランド政府は国民にワクチン接種をするよう呼びかけていますが、とにかくゼロコロナ期間が長いニュージーランドでは、新型コロナに対する危機感が低く、国民の多くが「このままでいいのではないか」と現状を変えることに消極的です。
思うように接種が進まないため、政府は、いままでの接種優先順位を全て撤廃することを決め、9月1日から16歳以上なら誰でも無料接種することができるようになりました。これで、ワクチン接種が加速するといいのですが、とにかく焦りがありません。
ワクチン接種が十分行き届いたと判断された後、入国制限の緩和のプロセスがスタートします。まずは、各国を、ローリスク、ミドルリスク、ハイリスクの3つに分けるそうです。
ローリスクの国からの入国者は、陰性証明とワクチンパスポートを提出し、到着時の検査をクリアしたら隔離することなく入国できます。ミドルリスクの国からの入国者は、陰性証明とワクチンパスポートの提出と1週間程度の隔離(ホテルもしくは自宅)が必要となります。ハイリスクの国からの入国者もしくはワクチン未接種者は、今まで通りの入国規制が適応され2週間の指定ホテルでの隔離が必要です。
どの国がどのリスクレベルになるのかは、2022年の規制緩和策がスタートする直前に、その国の感染状況によって振り分けられるとのこと。また、リスクレベルはその都度状況に応じて変更されるので、ニュージーランドへのフライトを予約した時点と実際に入国する時点では入国の条件が変更になっている可能性があります。
つまり、入国規制が緩和されるとはいえ、短期の留学や観光には向かない仕組みのようで、当面は、長期滞在の季節労働者や留学生の受け入れをまず最優先する方向なのだろうと感じました。入国規制の撤廃までの道のりは長そうです。
現在、オーストラリアではデルタ株が猛威を奮っており、専門家によるとニュージーランドも近々同じ状況になるのではないか、と危惧されています。その場合、医療体制が脆弱なニュージーランドは、躊躇なくロックダウンに踏み切るとのこと。
ワクチン接種の普及が急がれます。
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