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スーパーラグビー・ニュージーランド・国内大会「アオテアロア」6月13日開幕


新型コロナの感染拡大により第7ラウンドで中止を余儀なくされたスーパーラグビーですが、今週末、世界に先駆けて観客を動員しニュージーランド国内大会・アオテアロアが開催されます。チケットは既に3万枚以上が売れており、この開幕戦がラグビー王国ニュージーランドの新型コロナに対する勝利宣言の場となりそうです。


6月13日(土)午後7時05分 ハイランダーズvsチーフス

6月14日(日)午後3時35分 ブルーズvsハリケーンズ

クルセーダーズ BYE


ニュージーランド国内大会ということで、ニュージーランドラグビーのスピーディでダイナミックなラグビースタイルを思う存分楽しめるようないくつかの変更がなされています。


まずは、ゴールデンポイントの導入。フルタイム80分間で同点だった場合、10分間の延長戦を行い、先に得点を取ったほうが勝利となります。同点は敗北同様の失望感があるとの選手からの意見を反映し、勝敗をきちんと決めることになりました。


また、レッドカードで選手が退場になっても、20分後に他の選手を導入し、できるだけ1チーム15人揃った状態で試合を行います。レッドカードで選手数が減ると途端に試合が面白くなくなってしまうことがないように、試合の質を維持することが狙いです。


さらに、ブレイクダウンの攻防は、より早く、よりフェアに、より安全に、そしてより分かりやすくするため、その判定の基準を明確にしています。主審はブレイクダウンで、誰がボールを持っているかよりも誰がロールアウェイしたかしていないかを注視するとのこと。選手はタックルしたら即座にサイドライン側にロールアウェイしなければなりません。そうすることで次に来る選手が素早くジャッカルに入れるなど、ブレイクダウンの流れが良くなります。また、ボールキャリアはタックルされた後に1回だけ動くことができますが、その後のダブルムーブメントと、デイフェンス側のオフサイドラインは特に厳しくジャッジされるとのことです。


今回の大会は、よりエンターティメント性を重視し、新型コロナで滞ったラグビーを盛り上げ、観客を熱狂させる工夫が多くなされています。また、地域間のライバル意識も大会をさらに白熱させる要因です。どんな逆境下でも諦めず、前進するニュージーランドラグビーの強さを堪能する大会となりそうです。観戦が楽しみです。


ハイランダーズ(オタゴ):

オールブラックスのベン・スミス、ワイサケ・ナホロら中心選手が退団し、中止前の順位は、1勝1分け4敗でニュージーランドカンファレンスの最下位と苦戦を強いられていましたが、ロックダウン中に、驚異的なステップでラインブレイクしトライを量産するネヘ・ミルダースカダーが加入。バックスを補強しました。安定のSHアーロン・スミスと並び注目の選手です。


チーフス(ワイカト):

中止前の順位は、ニュージーランドカンファレンス3位。ロックダウン中にけが人の復帰が相次ぎ、またとない充実したチーム状況です。オールブラックスの新キャプテンとなったFLサム・ケインとペアを組むLachlan Boshierは、7試合でターンオーバー17回、タックル成功率90%と次のオールブラックス入りを期待される若手注目株です。また、ゴールデンポイントで、延長に持ち込まれた時のダミアン・マッケンジーとアーロン・クルーデンのドロップキックに注目です。


ハリケーンズ(ウェリントン):

2019RWC以来、怪我で長期戦線離脱していたアーディ・サベアの復帰は、ロックダウン中の大きな収穫です。また、ジョーディ・バレット、ラウマペ、ベンラム、グーセンらのバックス勢によるお株のカウンターアタックだけでなく、今年はフロントローが非常に優秀です。ただし、ボーデン・バレットの抜けた穴は大きく、ハリケーンズは、オールブラックスキャップ保持のNo10がいない唯一のチームです。


ブルーズ(オークランド):

ロックダウン中のダニエル・カーター・ブルーズ加入のニュースは衝撃的でした。今年ハリケーンズから移籍したボーデン・バレット、オールブラックスのリエコ・イオアネ、そして若手の注目株のWTBマーク・テレアら、バックスに勢いがあります。不安材料は、ブルーズはニュージーランド勢との勝率が非常に低いこと。2003年以来優勝から遠ざかっていますが、ビックネームの補強で優勝を狙います。


クルセーダーズ(カンタベリー):

新型コロナの影響で日本のトップリーグ・パナソニックでプレーしていたサム・ホワイトロックが帰国し、大きな戦力となります。また、クルセーダーズは次世代の若手に勢いがあります。ルーキーながら今年全試合に出場しているU20代表のカレン・グレイスは、スーパーラグビーの最年少選手です。また、22歳のトム・クリスティは現在までスーパーラグビーの最多タックル数106を記録しています。タレント選手も多く中止前の順位は首位で、今大会も優勝候補の筆頭です。



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