昨日、90年間続く強豪シルバーストリーム校との伝統戦で、4年振りにKen Gray Memorial トロフィーがウェリントンカレッジに戻ってきました。
フィールド脇のテラスは、授業を抜け出した生徒、、、そして先生たちで埋め尽くされ、観戦で大盛り上がりでした。勝利が決まった瞬間には、全員がフィールドになだれ込み、一斉にウェリントンカレッジの応援ソングを飛び上がりながら熱唱して、本当に学校全体が悦びに沸きました。
伝統戦を勝利した後のこの光景、久しぶりに見て胸が熱くなりました。これこそニュージーランドカレッジラグビーの醍醐味です。
実は、ウェリントンカレッジラグビーは、過去3年間低迷の時期でした。特に去年は、この伝統戦90年の歴史の中で過去最多失点を上げてしまい、フィールド脇のテラスの応援席は途中退席する生徒が相次ぎ、がら空きの応援となりました。
このまま100年以上続いた名門ラグビー校が終わってしまうのか、、、正直、そんな危機感も感じました。
今年は、この低迷を脱却し伝統を復活させるため、プレシーズンから選手だけでなく、スタッフ、OB、保護者など全員がセイムページにのって、まさにワンチームで取り組んでいます。絶対に伝統の火を消さない、、、そんな気合いを感じます。
近年のニュージーランドのカレッジラグビーは、強豪校が全国各地から優秀選手を盛んにリクルートして、さながらプロラグビーチームのようです。大量に選手をリクルートしたチームと公立高校との差は歴然で、試合の安全性も危うく問題となっています。
そのため、露骨にリクルートをした強豪高校が他校から試合をボイコットされたりするケースや、リクルート選手の試合出場数を制限したりするケースも見られます。
当社が提携するウェリントンカレッジは、スクールゾーンのある公立校です。私立ではないので、全国から選手をリクルートするほどの財力はありません。さらにスクールゾーンがあるので、ゾーンのない公立高校とも違い、選手層はゾーン中という地域制限があります。
この悪条件下でも、今年、チームが大きく飛躍しました。果たしてその要因は何なのでしょうか?
たくさん要因があると思いますが、チーム文化の改善は大きかったのかと。
90分のトレーニングでは集中力を求められ、少しでもだらけたプレーをしようものなら元オールブラックスのニーミア・ティアラタコーチの怒声が飛ぶことも。フルコートでの激しいフルコンタクトのトレーニングも多く、トレーニング後は立ち上がれないほどへとへとです。
また、ファーストとセカンドがつねに一緒にトレーニングすることで、セカンドからの突き上げで選手同士の競争心をあおっています。いつでも下克上できる状況です。
コーチはとにかく選手のメンタルを変えたいと話していました。辛いトレーニングを課して、その結果、伝統戦で勝利する。選手は勝利の喜びを得ると同時に、カレッジ全学生の羨望を集め、プライドが芽生える。そして、いやいやしていた辛いトレーニングを自ら進んでするようになる。いい循環ができています。
チーム文化やメンタルを少し変えるだけで、大きな変化が起きる、、、カレッジラグビーって面白いな〜と。引き続き、応援を楽しみたいです。
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